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燻りエンジニアブログ

燻(くすぶ)り続けている組み込みエンジニアの備忘録

日本電機メーカーが外国企業の傘下に入ることについて

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先日、日本家電メーカー最大手のSHARPが台湾の企業鴻海(ホンハイ)に買収されることが決定したというニュースがありました。このニュースを見て私を含む多くの人が直感的に抱いたイメージは下記だと思います。

 

日本の技術が外国に流出する!

 

自分でそう思ったにもかかわらず、ふと冷静に、はたして本当にそうなのかと考えました。経営やビジネス、お金の観点では私はあまり詳しくはありませんので、わかりませんが、今回の決定は、SHARPの経営者の人たちが、少なくとも、この記事を読んでいる誰よりも考えたうえで決断したことであるのは間違いないはずです。

 

誰よりも、SHARPのことを考えた人たちが決めたことが、単純に上記のような結果だけをもたらすとは思えません。むしろ、海外の製造業とは異なる文化を持つ日本のやり方が、うまくいかないことをSHARPの経営陣の方は苦しみながらも認めて、理解されたのかもしれません。

 

少し話は、変わりますが、私は以前、ある大手コンビニエンスストアの食品生産工場でアルバイトをしたことがあります。食品工場なので、全員、白衣にマスクを着用し、目以外は見えない状態で作業をするのですが、仕事が始まってまず驚いたのは、外国人労働者の多さです。工場内にあった張り紙によると、20ヵ国近くの外国人労働者がいるとのことでした。私が一緒に作業をしたのは、フィリピン人とベトナム人の方たちでした。外国人労働者の多さにもびっくりしたのですが、一番驚いたのは、日本人従業員の彼らに対する態度でした。一方的に日本語で怒鳴りつけ(まぁ、ベトナム人の人たちがまじめにやっていなかったこともあるのですが)、最後には、「まぁ、日本語わかんねえよな」と一言。私も、全身白衣なのでおそらく日本人だとは思われていなかったと思います。すかさず、日本語で、作業の質問をしたところ、「あっ、日本人の方ですか」と態度が急変しました。

 

何が言いたいかというと、外国人労働者を大勢雇っているにも関わらず、彼らと真剣にコミュニケーションをとろうとは思っていない人が現実にいるということです。しかも、日本人だと分かっただけで見る目が急変するのもおかしな話です。それほどまでに、日本人は、外国人に対して壁があるということです。これは、島国であるかつ歴史上非常に長い時間独立国家として存続してきた国の考えや思想が遺伝子に深く刻まれているからだと思います。

 

今回の買収によって、事実SHARPの技術は多少海外に出て行ってしまうのかもしれませんが、それ以上に、鴻海から得るものもあるのではないでしょうか。その時に、技術のみならず、外国人と働くということについて考え直すきっかけになるのではないでしょうか。

 

このサイトで何度かお話ししているメイカーズブームの一番の魅力は、世界的な動きであることだと思います。海外のエンジニアとも積極的にかかわりを持ち、アイデアとアイデアが重なり、世界に一つの魅力的な製品が出来上がるのです。そう考えると、SHARPは新しいメイカーとして出発する大きなチャンスなのかもしれません。

 

いろいろと筆者の勝手な考えを述べさせてもらいましたが、やはり日本人としてSHARPの今回の経営再建がうまくいくことを望みます。社名の由来となった早川式繰出鉛筆(のちのシャープペンシルといわれているようですがこれには諸説あるようです。)を発明した時のように、また、文具メーカーとして復活するのもありなのかもしれません。