ゲルマニウムラジオ
電子工作で必ず誰しもが一度は制作するといわれるゲルマニウムラジオを制作しました。今回も秋月電子さんでキットを購入。ゲルマニウムラジオは部品数も少なく、電池も不要なため制作にかかるコストも時間も少なくて済みます。実際にラジオを聴けるようにするためにはアンテナの制作などプラスα頑張らなくてはいけないのですが、今回は、キットの制作までをとりあえず実施。
<部品>
抵抗 × 2
電解コンデンサ × 1
セラミックコンデンサ × 2
ダイオード × 1
バリアブルコンデンサ × 1(通称バリコン)
アンテナコイル × 1
クリスタルイヤホン × 1
部品の数が少ないのではんだ付けも計20箇所程度。それくらいであれば、少ないと感じるようになってきたということは私も少しは電子工作に慣れてきたのかも。いつも通り完成した写真しかとっていないため、まずは完成の写真を。
そもそもゲルマニウムラジオとは、ゲルマニウムダイオードを使用しているからそう呼ばれているようです。下記Wikipediaから引用。
ゲルマニウムダイオードを用いたラジオをゲルマラジオまたはゲルマニウムラジオと呼ぶ。ゲルマニウムダイオードは鉱石よりも小さく、安定した性能が得られる。ゲルマニウムダイオードが出現した当時は既に真空管が広く使用されており、さらに直後にトランジスタの普及によりトランジスタラジオに取って代わられたため、ゲルマラジオが実用されたのは限られた用途と期間であった。しかし、現在でも電子工作の入門用としては定番のテーマとなっている。
そろそろキットを制作するだけでなくて少しづつ動作原理についても理解を深めていきたいので、今回はゲルマニウムラジオの動作原理についても少し触れます。
ゲルマニウムラジオの動作原理を理解するには、同調回路と検波回路を理解する必要があります。
同調回路
電子部品としては、コンデンサ(英語圏ではキャパシタ)とコイルで構成される回路であり、2つの部品の間に生じるある特定の周波数の交流に対して、交流電圧を加える(これが電波。電波はアンテナから受信されアースとの間を流れる交流として考えられる)ことで、加えた電圧よりもずっと大きな電圧がコンデンサとコイルの両端に生じるという原理を利用して、ある特定の周波数をとらえるというもの。コイルとコンデンサの両端に生じる電圧を変更するためにコンデンサはバリコンを使用します。
検波回路
これは、ダイオードとコンデンサを使用して高周波から低周波(音声信号)を抜き出す働きをする回路のことです。ダイオードの性質のアノードからカソードの方向にしか電流を流さないことを利用しています。実は、私も検波回路についてはいまいち理解しきれていないのでまた後程詳しく書きたいと思います。今回は、ダイオードとコンデンサをつかった回路で音声信号を取り出すための回路というくらいの理解にとどめておきます。
ゲルマニウムラジオの動作原理まとめ
今までの内容から動作原理を整理すると下記のようになると思います。
1.アンテナから受信した電波(交流)がアンテナとアース間を高速に行ったり来たり。ここでは、いろんな周波数の電波を受信している。
2.コイルとバリコンによって構成される同調回路によって特定の周波数(聴きたいラジオの周波数)を捕らえる。
3.捕らえた周波数(高周波)をゲルマニウムダイオードによって検波する。低周波の音声信号をとりだす。
4.検波によって生じた音声信号でイヤホンの振動板を振動させることでラジオ音声が聞こえる。
今回 は今までの記事よりも少しだけ技術的に踏み込んで書いてみました。ただキットを制作するだけでもいい経験にはなりますが、せっかくなので調べてわかる範囲だけでも少しずつ勉強して行きたいと思います。今回、チャレンジできなかったアンテナの制作もそのうち書きたいです。
同調回路と検波回路についてはサイトや本によって様々な説明がなされておりますので自分が理解できるものを見つけてみてください。
今回制作したキット